事故が来れば思い出す 騒ぐだけのマスコミ(暫定版)
2005年4月26日 時事ニュース不謹慎な題名で申し訳ないが、どうしても言っておきたいことがある。
尼崎のJR快速電車脱線事故の報道について一言。
正直言って、事故の概要すらつかめていない状況で(今わかっているのは先頭2両が原形をとどめないほど壊れて死傷者が多数出たという事実だけだ)もはや運行会社であるJR西日本と事故を起こした運転手に責任を押しかぶせてしまおうという気概がありありと見える。
列車にモニタ装置があったためとりあえず速度制限を逸脱していたらしいことはわかった。
新型車両が諸悪の根源のような物言いをしている評論家もいるが、国鉄型車両にそんな洒落た装置はない。願わくば航空機のように詳細なデータレコーダーやボイスレコーダーがほしいところではあるのだが。
閑話休題。が、なぜ大幅な速度超過となったのだろうか。
本当に遅延を回復しようとして無茶な賭けに出たのか。
現場から東西線との接続駅・尼崎は目と鼻の先。無理をしても回復できたか疑問だ。運転士はまだ経験が浅いが他の運転士からいろいろ路線や車両特有の注意点を聞かされているはず。
もしかしたらブレーキ系に未知の支障があったかもしれない。
あくまで推測の域であるが。
または、運転士が人事不省に陥っていた可能性がある。
ワンマン列車などではデッドマン装置というのがあってそういう場合は非常ブレーキがかかる仕組みになっているが、都市圏路線用の207系電車についているかどうか私は知らない。おぼろげな記憶ではなかったようだが。
事故の直接原因となるであろう、カーブでの速度超過ですらこれだけ、いや書くのをはばかったものもあるのでさらにまだ原因を推論することができるのだ。
まあ、事故を起こした車両のそれこそネジ1本まで解析するつもりでやらないと真の原因は見えてくるまい(アメリカはやっている)。犠牲者の遺族や負傷者にとってはその時間が苦痛だが、さりとてリップサービスで運行会社や現場の人間に責任を押し付けるのもどうかと思われる。
はっきりいって、現在の事故報道とはその「リップサービス」程度のものでしかないように思われる。
幸か不幸か難に遭わずに済んだ我々に必要なものはなんだろう?
運行会社や乗務員をなじるのは本来、遺族と負傷者、その家族(や友人・恋人といった被害者に密接に関係のある人もだが)にしか許されないことである。彼等にしてみればいかな理由があれ絶対に許しがたいだろうからだ。報道関係者も含めて我々にはその資格はない。
では外野の我々がすべきことは。
以後、同様の事故を起こさないよう事故の事実をありのまま記録し、原因を究明し、再発防止策を考え出すことではないか?
もっとも腹が立ったのは「技術評論家」なる謎の肩書きを持つ御仁のコメントである。本来ならそういった部分で活躍すべき人間のはずだが、彼は「ステンレス車体は金儲けのための軽量化で鉄製車体より弱くて当然」という、およそ技術者らしからぬ発言ををこともあろうに全国紙のインタビューとしてご開陳あそばしている。
いま、鉄道各社が車体のアルミ・ステンレス化を推進している筆頭の理由に、確かに軽量化による消費電力の低減=運行コストの削減を上げることはできるだろう。
が、それはステンレスやアルミ車体が「普通鋼製車体に比べ同一強度でより軽量」だからである。無茶苦茶を言ってはいけない。だいたい「鉄製車体」ってなんだ。
そりゃあ普通鋼に比べれば伸びやすく、変形には多少弱いのだが。
今回の事故の場合乗り合わせた方には申し訳ないが変形量の多いステンレス車体だったからマンションがもった、という見方もできる。個人的にあれが国鉄型の103系だったらと思うとぞっとする。
車両に挟み込まれる客が減る代わりに外に放り出される犠牲者が増え、マンションももっと大きな被害を受けていたことだろう。
ついでに言っておくと、現在日本の鉄道路線でまともに稼ぎのある路線は指折り数えるほどしかない。儲けるなど言語道断、大手私鉄でも手間ばかりかかる枝線を無理やり切り落としてようやく一息ついている会社もあるのだ。
とにもかくにも。
悪者を作らねば報道できないスタイルは、もういい加減やめてほしい。困ったことにこの国では所轄官庁の長がこれに振り回されてろくな判断をしないことが多々ある。
加えて、日本の場合刑事捜査が最優先されるため事故調査に必要な証拠が長期間警察に押収されるという困った事態が起きる。
このような重大事故の調査手法に関してはアメリカが世界の最先端といっていいだろう。これについては後日紹介したい。
最後に、この事故に遭遇し不幸にも落命された犠牲者の皆さんに対し、鉄道ファンとして最大限の哀悼を表したい。また、負傷された皆様の一刻も早い回復を無力ながら祈念するものである。
尼崎のJR快速電車脱線事故の報道について一言。
正直言って、事故の概要すらつかめていない状況で(今わかっているのは先頭2両が原形をとどめないほど壊れて死傷者が多数出たという事実だけだ)もはや運行会社であるJR西日本と事故を起こした運転手に責任を押しかぶせてしまおうという気概がありありと見える。
列車にモニタ装置があったためとりあえず速度制限を逸脱していたらしいことはわかった。
新型車両が諸悪の根源のような物言いをしている評論家もいるが、国鉄型車両にそんな洒落た装置はない。願わくば航空機のように詳細なデータレコーダーやボイスレコーダーがほしいところではあるのだが。
閑話休題。が、なぜ大幅な速度超過となったのだろうか。
本当に遅延を回復しようとして無茶な賭けに出たのか。
現場から東西線との接続駅・尼崎は目と鼻の先。無理をしても回復できたか疑問だ。運転士はまだ経験が浅いが他の運転士からいろいろ路線や車両特有の注意点を聞かされているはず。
もしかしたらブレーキ系に未知の支障があったかもしれない。
あくまで推測の域であるが。
または、運転士が人事不省に陥っていた可能性がある。
ワンマン列車などではデッドマン装置というのがあってそういう場合は非常ブレーキがかかる仕組みになっているが、都市圏路線用の207系電車についているかどうか私は知らない。おぼろげな記憶ではなかったようだが。
事故の直接原因となるであろう、カーブでの速度超過ですらこれだけ、いや書くのをはばかったものもあるのでさらにまだ原因を推論することができるのだ。
まあ、事故を起こした車両のそれこそネジ1本まで解析するつもりでやらないと真の原因は見えてくるまい(アメリカはやっている)。犠牲者の遺族や負傷者にとってはその時間が苦痛だが、さりとてリップサービスで運行会社や現場の人間に責任を押し付けるのもどうかと思われる。
はっきりいって、現在の事故報道とはその「リップサービス」程度のものでしかないように思われる。
幸か不幸か難に遭わずに済んだ我々に必要なものはなんだろう?
運行会社や乗務員をなじるのは本来、遺族と負傷者、その家族(や友人・恋人といった被害者に密接に関係のある人もだが)にしか許されないことである。彼等にしてみればいかな理由があれ絶対に許しがたいだろうからだ。報道関係者も含めて我々にはその資格はない。
では外野の我々がすべきことは。
以後、同様の事故を起こさないよう事故の事実をありのまま記録し、原因を究明し、再発防止策を考え出すことではないか?
もっとも腹が立ったのは「技術評論家」なる謎の肩書きを持つ御仁のコメントである。本来ならそういった部分で活躍すべき人間のはずだが、彼は「ステンレス車体は金儲けのための軽量化で鉄製車体より弱くて当然」という、およそ技術者らしからぬ発言ををこともあろうに全国紙のインタビューとしてご開陳あそばしている。
いま、鉄道各社が車体のアルミ・ステンレス化を推進している筆頭の理由に、確かに軽量化による消費電力の低減=運行コストの削減を上げることはできるだろう。
が、それはステンレスやアルミ車体が「普通鋼製車体に比べ同一強度でより軽量」だからである。無茶苦茶を言ってはいけない。だいたい「鉄製車体」ってなんだ。
そりゃあ普通鋼に比べれば伸びやすく、変形には多少弱いのだが。
今回の事故の場合乗り合わせた方には申し訳ないが変形量の多いステンレス車体だったからマンションがもった、という見方もできる。個人的にあれが国鉄型の103系だったらと思うとぞっとする。
車両に挟み込まれる客が減る代わりに外に放り出される犠牲者が増え、マンションももっと大きな被害を受けていたことだろう。
ついでに言っておくと、現在日本の鉄道路線でまともに稼ぎのある路線は指折り数えるほどしかない。儲けるなど言語道断、大手私鉄でも手間ばかりかかる枝線を無理やり切り落としてようやく一息ついている会社もあるのだ。
とにもかくにも。
悪者を作らねば報道できないスタイルは、もういい加減やめてほしい。困ったことにこの国では所轄官庁の長がこれに振り回されてろくな判断をしないことが多々ある。
加えて、日本の場合刑事捜査が最優先されるため事故調査に必要な証拠が長期間警察に押収されるという困った事態が起きる。
このような重大事故の調査手法に関してはアメリカが世界の最先端といっていいだろう。これについては後日紹介したい。
最後に、この事故に遭遇し不幸にも落命された犠牲者の皆さんに対し、鉄道ファンとして最大限の哀悼を表したい。また、負傷された皆様の一刻も早い回復を無力ながら祈念するものである。
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